【なろう】「このひと、私の婚約者ですから!」と嘘に巻き込んだ御曹司が、なぜか話を合わせてくるんですが!?

「このひと、私の婚約者ですから!」と嘘に巻き込んだ御曹司が、なぜか話を合わせてくるんですが!?

作者 有沢真尋
作品ページ https://ncode.syosetu.com/n3128km/
あらすじ 腹黒御曹司×逆境にめげない頑丈な女
嘘から始まる意外に甘々な偽装婚約関係!

 ★

 どうせ会社を辞めるのだ、どうなったって構いはしない。

 その日、白築(しらつき)アリスはそれまでの二十六年の人生で、一番自暴自棄になっていた。
 理由はありふれたもので、婚約者の浮気である。
 しかも。

「白築さん。斎藤くんから聞いていた話は、事実だったのね」
「はい?」
「あなたが、斎藤くんにストーカーしているっていう話」

 私が、ストーカー!?
 彼に何かとお金をせびられて、結婚するからと深く考えずに渡していたら……

「入社以来『彼女がいるから、付き合うことはできない』といくら斎藤くんが断っても、あなたのほうから『遠距離なら少しくらい遊んでもバレないから』と執拗に迫ったのだとか。しかも最近になって『ホテルに行かなくても、一緒に食事してくれるだけでもいい』としつこく言って、何度も奢らせてずいぶんお金を使わせたんですって?」

 アリスに「付き合っていることは、まだみんなには内緒に」と言っていた婚約者は、用意周到に社内に嘘の噂を広めていたのだ。
 誰も、アリスの言い分に耳を貸さないように。

 このままだと、絶体絶命。
 会社を辞めるしか無い。

 自暴自棄になったアリスの前に現れたのは、創業者一族の若手エリート、王子様キャラの弓倉海(ゆみくら・うみ)。

(お付き合いして陥れられるにしても、弓倉さんレベルだったら納得できたのに……!)

 やけっぱちになったアリスは、海のもとへと歩み寄り、ぴたりと寄り添って明るい声で宣言したのだ。

「なんのことかわからないんですけど。私、弓倉さんと結婚を前提にお付き合いしています! 来月の誕生日に入籍しようねって、昨日も話し合ったばかりで」

 嘘だった。
 もうどうにでもなれ。
 人生の最後に、イケメンの彼氏がいたという妄想にでも浸りたいだけ!

 そんなアリスを抱き寄せて、海もまた笑顔できっぱりと言い放った。

「実はそうなんです。僕たちお付き合いしているんですよ。いい機会だから皆さんも知っておいてください」

 え……

 ええーーーー!?

 ただの自棄で嘘とはったり、しかし引っ込みがつかなくなりまさかの御曹司と婚約!?

※他サイトにも公開しています。

初回投稿日 2025-05-15 22:15:12
最終掲載日 2025-11-07 12:00:00
作品タイプ① 連載
作品タイプ② 完結済み
総話数 21話
文字数 94,651文字
読了時間 190分
総合評価ポイント 20372ポイント
四半期ポイント 1670ポイント
年間ポイント 20240ポイント
ブックマーク数 2388
感想数 38
レビュー数 0
評価ポイント合計 15596ポイント
評価者数 1680人
最終更新日時 2025-11-07 12:00:32
出典:小説家になろう

静かな街角に佇む、御曹司の彼と主人公の関係を描いたこの物語は、日常のささやかな出来事の中に、少しずつ深まる絆と秘密の気配を感じさせます😊。タイトルからは少しコミカルな雰囲気も伝わってきますが、実際には登場人物たちの心の動きや微妙な距離感が丁寧に描かれており、読者を穏やかな気持ちにさせてくれます。
物語は、ある日突然、主人公が彼に「私の婚約者です」と嘘をついてしまったところから始まります。その嘘をきっかけに、彼はまるでそれを自然なこととして受け入れ、話を合わせてくるのです🤔。このやりとりが、二人の間に少しずつ距離感や理解を深めていく様子を巧みに紡いでいます。
彼の落ち着いた態度や、時折見せる照れや戸惑いに、読者は心癒されることでしょう🌸。また、彼の周囲の人々もまた、静かに物語に彩りを添えており、全体として穏やかで温かみのある空気が流れています。彼と主人公のやりとりは、まるで日常の一コマのように自然で、微笑ましい瞬間が随所に散りばめられています。
この物語は、ちょっとした嘘から始まる不思議な関係性を通じて、誠実さや信頼の意味を静かに問いかけているかのようです🌙。読むたびに心がふわりと温かくなる、そんな優しい小説です。

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